今日は幽霊


2007.03.19
作:石山



 

 俺はきよひこ。下連の新星・・・とかなんか前口上作ろうかと思ったけど、やめた。下連の一人だ。下連ってのは、神様の代わりに願いを叶えてやるって言う団体なわけだ。団体っていったって俺以外に知っている団体員は俺の家族だけなんだけどな。どんな団体なんだか未だにさっぱりだ。

 今日は健司と一緒にゲーセンにきている。まぁ、いつもと変わらない日々というやつだ。今日は何を食べるかな・・・。

「きよひこ、最近できたラーメン屋しってるか?」
「いや、知らない」
「駅の向こう側にできたそうなんだ。いかないか」

 

 俺たちは、ラーメン屋の前に来た。しかし、ようやく奴の狙いが分かった。

「女性、またはカップルのお客様は200円割引?」
「そうなんだ、どうだ。きよひこ。これは女にならないと損だよな」

 ははーん、そういう狙いか。

「200円くらいがなんだっていうんだ。そんな事はいいから入ろう」
「くそっ・・・」

 うなだれる健司は放っておいて中へと入った。やっぱりカップルは多いが、ラーメン食べる時に、がつがつ食えない女になったって仕方ないって言うもんだ。俺は、カウンターに座ると店おすすめと書いてある豚骨ラーメンを注文した。ようやく立ち直って店へと入ってきた健司は、塩ラーメンを頼んでいた。

「なぁ、前の女の子になってくれよ。今度は自信があるんだ」
「ばかいえ。お前の自由になってたまるか。もっと修行積んでから出直せよ」

 健司は、無料で置いてあるキムチをぼりぼり食いながら・・・ぼそりといった。

「だって、恥ずかしいじゃん。女の子にあんなとこ見られたら」
「俺だったらいいのかよ?」
「そりゃ、俺とお前の仲だからな。
 だから、もう一度やらせてくれ。早漏は直したから!」

って、声が大きいよ。変な目で見てくる店の大将にごまかし笑いをしながら、健司をあしらっていた。

 

 俺と健司は、ラーメンを食った後、またゲーセンに戻ろうかということになった。いや、ホテル街にいこうとか言い出した健司を俺が強引につれているだけだが。

「なぁ、さっきの話考えてくれよー。本当に俺の理想なんだからな」
「ああ、分かった分かった」
「ほんとか?」

 しつこいなぁ・・・。俺は、いい加減聞き飽きたぞ。ちょっと近道するか。

 俺は、小高い住宅地を抜ける長い階段を降りて行った。ちょっと狭い階段だが、ここを抜ければ、商店街へとでる。
 ん、前から女の人が上ってくるな・・・。ちょっと避けるかって、あれ。くつひもが!

「きよひこっ」

 俺は、いつの間にかほどけていた靴ひもを自分で踏んづけてしまい。階段を落ちた。転がった訳じゃなく、ダイビングみたいな感じだ。いや、このままだと遅かれ早かれ転がるだろう・・・しかし、目の前に女の人が。やばい、どいて。

「きゃっ」

 俺は、女の人にぶつかった。ぶつかった衝撃はなかったが、もしかしたら感じる事もできないくらい怪我をしたとか・・・。

 

 うう・・・。俺はどうなったんだ。

「あ、あれ。きよひこ?」

 目の前には健司がいて、俺の事は無視をして、きょろきょろしている。しきりに俺の後ろの方を気にしているようだ。俺は、何かあるのかと後ろを振り向くが誰もいない。そう、さっきの女の人もだ。

「俺はここだ、健司。俺どうなったんだ?」

 んん、なんだこの声。きゃぴきゃぴしたような高い女の声だった。

「お前まさか、きよひこなのか」

 健司が、驚いたような嬉しような顔をしている。

「そうだが・・・」
「なるほど・・・。まぁ、ここじゃなんだ。上の公園までもどろう」

 俺は健司に促されて階段を元来た方へと上り始める。下を見ると紺のタイトなミニスカートに暗い色のパンスト・・・そして、黒のハイヒール。上は、短いコートで中には白いシャツが見える。そうだ、一番違うのは眼鏡・・・。

 

 健司が、俺の事をじろじろと見ている。ベンチに腰をかけてからもう5分も経つ。

「おい、どうしたんだよ。何があったんだ」
「んあ、わかった。多分こういうことだ。お前はいま幽霊状態だ」
「な、なんだって。じゃあ、俺死んだのか?」

 なんてことだ。この若さで、童貞のまましんだっていうのか。

「そ、そうだ。俺の死体はどうなったんだ。もう焼かれたのか?」
「まあ、パニクるなって。幽霊って行っても例の能力が働いてるんだろう。お前はいま、その女の子に入り込んでいるんだ」

 入り込んで? そういえば、俺の死体もなかったし、死んでたらありそうな血痕もなかったよな・・・。

「俺が見たのは、おまえが階段から飛んで、女の子にぶつかる寸前消えたって事だ。それで今のお前がいる。ということなら、お前が消えたんじゃなく、その女の子の中に入っていると考えた方がつじつまが合う。

 そういう意味でお前は幽霊みたいな状態だっていったわけだ」
 健司はそういうと、鼻をならした。こいつバカだけどこういうところは頭いいな。

「なんだー、そういうことか・・・。いや、まてよ。じゃあ、ただの変身じゃないじゃん。俺どうやって戻ったらいいんだ?」
「そうだな・・・」

 健司がほおづえを付いて考える。俺も考えないとな・・・。しかし、他人の体・・・それもこんなむちむちした女の人の体に入っていると考えると俺はなんとも、何とも言えない気分になるわけで・・・。膝においた手を、健司にわからないように、さわさわっと動かしてしまったり、胸の前で腕を組んでみたり・・・。足を組んでみたり・・・。

 その時、公園の外から誰かを呼ぶ声が聞こえてきた。スーツ姿の男が俺の方へ向かって手を振っている。

「狩野さん、さがしましたよー」

 その男はそう言って近づいてきた。健司が、俺に向かってささやく。

「その体の女の子の知り合いじゃないのか。ここは、振りをしておいたほうがいい。俺がなんとか戻る方法を考えるからな。その代わりお礼は期待してるからな」

 健司はそう言うと俺から離れて行った。

「あれ、さっきの方は?」

 50代半ばくらいの男が、歩き去って行く健司を見て言った。

「あ、え、あの道を聞いていまして・・・」
「ああ、そういうことでしたか。お時間になってもこられないんで、道に迷ったんじゃないかと探してたんですよ。この辺は、少々入り組んでますからねー」

 どうやら、うまくごまかせたみたいだ。しかし、この体から抜け出すまで、この女の人を演じなければいけないのか? いや、ここは迷惑かけたんだから、なんとかボロをださなようにしないと・・・。

「さぁ、会長がお待ちですよ。こちらへいらっしゃってください」

 そう促されて、俺はその男に付いて行った。男の後ろを歩きながら、俺は自分の持っているバッグを探る。中から名刺がでてきた。保険の外交員・・・なのか? いや、もう少しなんか肩書きがあるがよくわからん。会長とか言ってたし、商談があったりするのか・・・やばい。そうだ、こういう時のオート・・・。いや、もし幽霊になったんだったら、オートは幽霊のオートなんだろうか。この人といる時に試すにはリスクが大きいな。

「あの・・・私は今日は・・・」
「あはは、会長は少々時間に遅れても怒るような方じゃありませんので、じっくり商談なさってください。今日の商談が決まれば、我が社の保険関連はあなたにお任せしますのでがんばってくださいね」

 やっぱりそう言う事か・・・どうするんだ、俺・・・。健司なんとかしてくれーって、健司はどこへいったんだ。あ、いた。振り向いたところ、電柱の陰からこちらを見ている健司が見えた。


 
 案内してくれている人が立ち止まった。古いビルがそこにあった。俵井商事・・・?

「ああ、古いビルで驚かれたでしょう。このビルは、会長が俵井商事を操業した時に建てたビルなんですよ。今じゃ全国に23支社を持つ企業ですがね。ここは、今じゃ会長と会長の周りで雑務を行う者だけの記念碑みたいなもんですけどね」

 男はそう説明すると中へと入って行った。俺も遅れずについていく。

「お鞄とコートをお預かりしますよ。契約書は事が終わった後でお渡ししますので」

 ん? 俺、こういった仕事をした事あるわけなじゃないから分からないけど、商談って書類とかなんか小難しいものを持ってやるもんじゃないのか? 鞄にはそれらしい物はなかったけど、名刺くらいは持って行った方がいいと思うんだけど。

「さあ、こちらです。すみませんね。エレベータはなくって。会長室は、最上階なんですが、3階ですのでご容赦を・・・」

 腰の低い態度は、会長に長年仕えた執事みたいな感じがしてくる。俺はにこりとして、大丈夫ですといった。しかし、このスカート短しやしないか。俺は、階段をあがるたびにずり上がろうとするスカートを気にしていた。


「会長は、高い女の声がすきでしてね・・・。あなたはぴったりだ」
「は、はい?」

 なんて言ったんだ?

「会長、おつれしました」

 会長室と書いてある部屋の前に立つと、ノックをした。

「おっ、来たか」

 中から低い男の声がした。貫禄はあるが、どこかひょうひょうとしたような感じだ。案内してくれた人が扉をあけた。中は、会長室って感じの大きいな机にソファー、テーブルがおいてある。

「おお、狩野陽子さんだね。入りたまえ。浅岡ご苦労だった」

 浅岡っていう名前だったのか。浅岡さんは、礼をすると出て行った。

「はじめまして、今日はよろしくお願いします」

 俺はなるべく丁寧に、そして変な事を言わないように心がけた。あぁ、どうすりゃいいんだ。客の接待なんて居酒屋とコンビ二くらいしかしたことねーよ。

 そうだ、名刺名刺・・・。俺はさっき鞄から抜き取っておいた名刺を出した。

「おお、こりゃご丁寧に。まぁ、固くならず、こっちに座りなさい」

 俺は、名乗ろうとした矢先、名刺を取られてしまった。名刺交換とかするんじゃないのか、こういう場合。

 そして、おかしい。会長は、ソファーに腰掛けると、その隣をぽんぽんと叩く。会長は、70歳前後だろうか、ちょっと小太りだが、肌のつやとかはよくって、男ぶりもいい。しかし、隣に座るって・・・。そうか、これも商談の戦法ってやつなんだな。

「は、はい」

 俺は、会長の隣へと座った。

「ほほう、いい香水だ。だが、君にはもう少し甘い香りの方が似合うかもしれんな」

 あの、いきなり口説かれてるんじゃないでしょうか、俺。

「は、はあ・・・」
「君との商談は楽しみでね。この前契約した高井建設の会長に聞いたんだよ・・・」

 うあ・・・会長が俺の手を握ってくる。

「か、会長」
「いいねぇ、君の声・・・。わしの事は、甚五郎と読んでくれ」

 う、よ、呼べばいいのか。

「甚五郎さん・・・あの商談をしなくても・・・」
「おお、そうだったね。ここじゃなんだから、隣の控え室に行こうか。遅くなる時は、そこで休んどるんだ」

 いまいち話が見えない。俺は、会長によって隣の部屋へと連れて行かれた。会長の骨張った手が俺の細い手首を掴んでいる。

「あぁ、こういうことなの・・・」

 そこには大きなベッドがあった。

「さあ、商談だ」

 俺は、肩を抱かれ会長によってベッドへと連れて行かれる。

 うへっ、どうしたらいいんだ。この人にかわってこのじいちゃんに抱かれなければならないのか? いや、でも、なんかすっごい大事な商談らしいし・・・。ああ、どうしたら。くそっ、仕方ない。ここは俺の技を使うしか・・・。

 俺は意を決して服を脱ぎ始めた。眼鏡も外す。とたんに視界がぼーっとぼける。

「おお、こりゃまなんとも」

 俺は、じいちゃんの服も脱がしにかかった。じいちゃんは、パンツ一丁になるとベッドへと横たわった。よく見えない分抵抗感も薄れるな・・・。

「はやくはやく、もう待てん」

 しかたあるまい・・・。ここはなんとかするか。そうだ前見たAVを参考にして・・・。

「せっかちさんですね。甚五郎さん、まるで覚えたての子供みたいに」

 うあ、はずかしいぞ。しかし、こんなもんか・・・。

「ワシはそんなんじゃないぞ」

 あ、やべ・・・。なんか機嫌悪くなった気が。しかたない・・・。えい。

「うおっ。これはなんともいえん」

 俺は会長のちんぽを握った。そして、摩擦を始めた。俺の気持ちいいとこ・・・カリ首の裏側をなで上げた。じいちゃん・・・元気よすぎ。ここだけだと、若者って感じだった。

 あれ・・・。この気持ちはなんだ。オートじゃないのか、これは陽子さんか? なんだか無性にくわえたい・・・。

 はむっ。

「うおっ。おっ・・・、いいぞこりゃ」

 じいちゃんが身もだえる。俺は、くわえたまま、じいちゃんを見上げる。

「いかんいかん、そう何度も出せないんだから、口はなしだ」

 じいちゃんは、そう言って俺をベッドの方へと引っ張った。俺は、じいちゃんの横へと倒れ込む。

「なんてやわらかい肌なんだ。こっちの方はどうなんだろうな・・・」

 じいちゃんは、俺の股間へと手を伸ばしてきた。そして、ぐりぐりと・・・、お、おれの。

「あぁああーん」

クリトリスを弄られて感じてしまった。そうだ・・・この体は陽子さんの物なんだ。俺はそう思うとますます感じてきてしまった。体がさらに敏感になったようだ。

「その声だ。もっともっと声を聞かせてくれ」

じいちゃんは、片手で俺の胸を揉みながら、片手で俺のおまんこを触っている。いいや、いまは、中に指を突っ込んでいる。

「どうだ。ここか?」
「うくっ・・・。ああー」

 うう、じいちゃん上手すぎ。俺の敏感な所を摘むような動作でなで上げて行く。

「そろそろ、わしの物で感触を確かめんとな・・・。中だしは大丈夫ということだったな」

 え、え、そうなんですか、陽子さん・・・。そりゃ、生の方が気持ちいいけど・・・。

 じいちゃんは、仰向けに転がり、寝姿勢を調整している。

 ああ、俺に乗れって言ってる訳ね。しかたない、陽子さんのためだ・・・。

 俺は、じいちゃんの固くなりきっていない物を自分で手を添えてずぶずぶと入れていく。

「いきますよ」
「う、あぁ、頼む。しかし、ミミズ千匹とは本当だったのか。こりゃ、こりゃいい」

 じいちゃんの物が一気に固さを取り戻した。そして、俺は腰を落として、再び腰を上げて・・・。あぁ・・・なんだこれ、陽子さんのおまんこ、感度がすごい。

「きもちいい・・・」
「そうか、そうか。わしも捨てたもんじゃないな。まだまだ」

 俺は、自分の快感を楽しむように腰を振りはじめた。じいちゃんもよほど気持ちいいのか、大きく口をあけてよだれを垂らしている。

「あっ、ああ。もう、いっちゃうわー」
「わ、わしも」

 俺の頭・・・いや、陽子さんの頭に電気が走ったような快感の波がきた。俺は薄れいく意識の中で、じいちゃんの物がぐぐっと太くなった感じがして、俺の中へと流れ込むのを感じながら、じいちゃんの胸の中へと倒れ込んだ。

 

 あ、あれ・・・。俺は今、えらく高い所からじいちゃんを見ていた。なんというか、その上に女がかぶさっている。すごく形のいい尻とじいちゃんの上でむにゅっとつぶれたおっぱいなんかが見える。

 おお、これは・・・って、俺はどうなってるんだ。

 俺は自分の体を見てみた。なんか薄いというか透明な体だった。これが健司の言ってた幽霊か・・・。陽子さんの体から抜け出せたわけだな。下の二人が、もぞもぞと動き出した。

「あれ・・・あたし・・・、えっえっ俵井会長?」

 あっちゃ、ヤバい・・・。いきなり目が覚めてこんな状況じゃ、驚くのは無理ないよな。

「狩野さん、想像以上だった・・・。これで我が社との取引成立だわい」
「あ、ええ、ありがとうございます」

 狩野さんは、未だ混乱しているものの会長に頭を下げた。中に会長の物を入れ、上に乗っかっている状態なんだが・・・。外から見る狩野さんのおっぱいがきれいだった。この角度から見る裸体は、なんともいえない光景だ・・・。
 俺は、そのままの状態で狩野さんのくびれた腰や、やわらかそうな真っ白なお尻を散々鑑賞した。その下では、もぞもぞと動く甚五郎が、狩野さんの事を褒めちぎっている。しかし、さすがに体力が切れたのか、咳き込み始めた。じいちゃん、無理すんなって・・・。狩野さんが、水を探しに隣の部屋へと走っていった。おっぱいが揺れていた。

 

 さて・・・俺はなんとかこの部屋から抜け出さないと。俺はとりあえずドアへと向かった。動き方がよくわからないが、クロールするように進んで行った。そうするとドアじゃなくて壁にぶち当たった。いや、当たらずにすり抜けた。俺は、それならと窓へと向かって泳いだ。

「おおおー。俺とんでる」

ふわふわと3階の外へと浮かんでいた。おっ、健司がいる。健司は未だに電柱の陰でこの会社の玄関を見張っていた。

「おーい健司」

 俺は呼んでみるが、どうも聞こえないみたいだ。しかたないので健司のところまで泳いで行く。
 しかし、健司の横に降りようとして、間違って健司の頭の上へと降り立ってしまう。そして、健司を突き抜けて地面・・・。

「あ、俺また・・・」

 健司に入り込んでしまった俺は、健司ならいいかと、この状態から抜け出す方法を探す事にした。さっきは、セックスしていったから抜け出れた訳だよな・・・。いや、こんなところでマスかくわけにはいかない。ということならと、頭を小突いてみたり、水で顔を洗ったりしてみた。階段から落ちるとかも考えたが、健司が死んでも困るのでやめた。

「そうか、オートを試してなかった」

 俺はオートを試してみた。するとあっさり抜け出れた。俺はさっそく変身を解除した。

「あれ、きよひこ」

 健司はいきなりトイレの前だっていうことにぽかんとしていた。

 

 あれが名器っていわれるものなのか・・・じいちゃんに乗り移るんだったと帰って後悔した・・・俺。




あとがき
変身で憑依をいかにするか。それの一つの形といいましょうか。しかし、ゼリージュースにもこういう憑依の仕方もありますね。むずかしい・・・。

石山