今日は女同士


2007.03.10
作:石山


 

 俺は、祈願成就下請連合、略して下連の一人だ。この前親父に世襲制である下連の仕事を受け継いだ。下連は、世俗の中でささいな願いを叶える事を目的とし、神の力を分けていただいてるって訳だけど・・・。
 初心者マークな下連の俺は、最初の3回で男にいいようにされてしまった。俺日頃の行いが悪かったっけ。なぁ、神様。

「聞いてるのか?きよひこ」
「あー、わるい」

 こいつは、友達の健司。ネットじゃ女王様やってるネカマなプーだったりする。

「お前のおかげで、俺の女王の地位は安泰だ・・・。だがな、ストーカーを増やしてくれとは言ってないぞ」
「お前なー、あんな奴らを相手した俺のみにもなれって・・・。4Pだぞ、4。お前なんか俺とやれたからいいようなものを」
「おい、ちょ、声がでかいって」

 きょろきょろと見回す健司。う、確かに声がでかかったか。後ろに座っている女子高生たちが急にひそひそ話し始めた。

「それでだ・・・。今度こそ俺が彼氏だっていってだ奴らを・・・」
「はいはい、わかった・・・また今度な」

 たく、人を便利な道具くらいにしか感じてないんじゃないか、こいつは。

「おい、ちょっと・・・」
「バイトだ。バイト。また明日な」

 まー、気が合う仲間ってあいつくらいだしなぁ。まぁ、暇なら聞いてやらん事もないが。俺だって、童貞から抜け出したいんだって。

 

 俺のバイトは、居酒屋の厨房だったりする。料理はそれなりにできる。でも、帰りが遅くなるんだよなー。年末で忙しいしな。健司なんて、あの後どうせすぐ帰ってネトゲしてるんだろうけどな。ほんと気楽な身分だぜ。

「あー、今日もおわったー、お先にあがりまっす。おつかれっした」

今日は、閉店担当じゃない日だから12時前に帰宅できる。ということで、さっと家にっ帰って寝るかな。ここも家から徒歩圏内なんだが、表通りばかりを通って帰ると回り道になってしまう。というわけで、いつも通るのは、ホテル街だったりする。

「いやん、だってー」
「いいじゃん、いいじゃん」

 一人とぼとぼ帰っている俺に見せつけるかのようにいちゃつく男女がいたりするのがとてもイライラしてしまう。

「ほらー、見てるじゃない」
「見せてやろうぜ」

 やっぱ見せつけてたのかよ、おまえら・・・。キスなんてしやがって。あー、気分悪い。ちょっと速度を上げてみる。く、また女かよって、あれ一人だな。

「あの・・・。すみません」

 うつむきがちに女が話しかけてきた。顔が陰に隠れてよく見えない。

「え、え、おれ?」

 これって逆ナン?そんなわけないよな。どうせ道に迷ったとかだろう・・・。

「私としてくれませんか」
「駅なら・・・って、え・・・なに!」

 ど、どうせすごい不細工だろ・・・って、美人じゃん。ラブホテルの看板の明かりに照らされたその女の顔は、めちゃきれいだった。歳は24、5かな、OLさんか秘書さんって感じの女性だった。

「だめですか・・・、ダメならダメでも」

 これは、人助け。そうだ、下連が困っている人を見捨てるなんて・・・ってちょっと違う気もするが、断るなんてもったいない。

「ああ、別にダメってわけじゃ・・・」

 がっついてる所を見せちゃ行けない・・・はず。そんな訳で、生涯初の逆ナンで、童貞喪失の危機・・・じゃなくて、大チャンス!

「あの・・・確認しておくけど。俺金とかないですが・・・」
「違います!そんなんじゃありません。私、今日しなくちゃいけないんです・・・」

 何か思い詰めた表情だ。これは、気が変わらないうちに行くか、いや、行かねばならん。
この前の部屋よりもちょっと小さいな。いや、あんなことはもう思い出すまい。女になって、いかされた事なんて。今日こそは俺は童貞を失い、男として大きな一歩を踏み出すのだ。

「あの・・・シャワーを浴びますね・・・」

 明るい所で見るとますますきれいな人だな。美人局じゃないよな。そんな悪い人には見えないし。

「これは、もしかして・・・もしかして、俺にも春という奴がやってきたってことか。そうか、そうなんだよ。人間誰しもモテる時期がくるっていうのは都市伝説じゃなかったんだ!」

 とまぁ、一人盛り上がっていた。しかし、テレビをつけたり消したり、照明のスイッチを入れたり消したりして時間をつぶしたが、いっこうに彼女が出てこない。シャワーの音はするのに・・・。

「あのー、もしもし、大丈夫ですかー?」
「ええ、大丈夫です・・・」

 シャワーの音がやむと、バスローブを身につけた彼女が出てきた。シャンプーのにおいが漂ってきて俺もう爆発寸前。健司みたいな事は絶対しないぞと心に誓いながら、下半身に集中した。

「あの・・・」
「はい!」
「その・・・」
「はい!」
「ご、ごめんなさい。やっぱりあなたじゃダメです」

 んな・・・・なんだってー。俺は何を言われているのか一瞬分からなかった。一瞬じゃない、心臓が100回くらい鼓動する間、分からなかった。

「それは、どういう・・・もしかしていたずら?」
「違うんです。私、私・・・あなたとすれば決心がつくと思ったんですが・・・。やっぱりダメ。理想と違うんです」


 絞り出すようにいうとそのまま涙を流し始めた。その泣きようは、泣きまねとかそういうものじゃなさそうだ。そういうことか・・・。

「あ、ははは。俺じゃバージンはあげられないとかそう言う事か・・・なら、叶えてあげましょう」

 


 頬に残る涙をそのままに、ぽかんと口を開けている彼女を残しおれは、浴室へと入っていった。
 パンツ一丁になった俺は、ちょっと傷ついた心をなだめ、童貞喪失への階段を目指す事にした。
「そなたの願い叶えて信ぜよう」

 さぁ、マッチョ系か、ジャニーズ系か、それともショタ・・・なんか胸が・・・って。

「なんじゃこりゃーーーー」

 俺の叫びが決して広いとはいえない浴室に響き渡った。きっといやらしい用途に使うだろう大きい鏡には、細身の体に形のいい胸をもったストレートの長髪な22、3才くらいの美女が映っていた。

「どうしたの・・・、あなた」

 浴室へと入ってきた彼女が眼を丸くしてる。

「え、え。あなた女の子だったの!?」
「え、いや、あの。君の願いを・・・えと」

 丸くしていた眼が次第に輝きに満ちてくる。さっきまでの暗さとか絶望感みたいなものはみじんも感じられない。

「そうなのね、そうなのね。私は、これでいいのよね」
「あの、もしもし・・・」

 なんだか、一人ぶつぶつと盛り上がっている彼女になんとかこちらの世界に戻ってきてもらいたいのだが。彼女は、バージンを喪失するために来てたわけじゃないってことは分かった。分かったが、これはいったい。

「あら、ごめんなさい。私ったら、あのね。私、男の人が苦手っていうか、女の人の方が好きっていうか・・・。それで、男の人とやっちゃえば、ちゃんと好きになれるかもってあなたに声を掛けたんだけど・・・本当は女の子だったのね。さっきのは変装?」

 なんかいきなり饒舌にしゃべりだしたし、なんかおねーさんな雰囲気を醸し出してきたんですが。

「そんなことは、どうでもいいわよね。これは、きっと神様が女の子が好きでもいいわよっておっしゃってくれてるわけよね」
「は、はー」

 すごい捲し立てにずり下がったパンツもあげるのを忘れていた。

「決まったわ。今日は、私といいことしましょうね。お姉様ってよんでくれていいわよ」

 俺の童貞喪失計画がー。ねーよ、俺のが、どこにもねーよ。パンツの中身はのっぺりしていた。なぜ分かるかって・・・。それは、お姉様が手をいれなさったからだよって、うおー。

「あなた、名前は?私は、景子。でも、お姉様って呼んで」
「きょ、京子です・・・あん」

 景子さん指が俺の中へと入ってきた。景子さんのバスローブがはだけてきてる。おー美乳発見。いや、いや、これは童貞喪失できないってことじゃないか。

 でもまてよ、そうだレズプレイだってありなんじゃないか。こんな美人とやれるなんてめったにないんだからなって、ちんこねーよー。女同士が何するかなんて俺しらねーよー。
いかん、ますます分からん。疑似精神発動!

「あら、恥ずかしいのね」
「お姉様、ここは寒いですわ。ベッドの中ではじめませんか」

 はずかしげもなくお姉様発言かよ。

「そうね。私ったら、せっかちだったわね。京子ちゃん」

 そう言ってお姉様は、バスローブを脱ぎさって、ベッドへと戻っていった。

「お姉様・・・」

 俺は、ベッドに横たわるお姉様に抱きつくとキスをした。こんな美人とキスできるなんて、幸せだ。幸せだが、入れる物がないぞ、俺。

 胸と胸がむにむにとあわさって何ともいえない感覚が俺を襲う。胸も感じるんだな・・・。

「京子ちゃんたら、甘えん坊さんね」
「ちがいます、お姉様がかわいいから。仕方ないんです」

 そう言われたお姉様は、俺の事を押し倒した。そして、形のいい胸にしゃぶりつく。くわえた乳首を舌でころころともてあそんでくる。

「あ、あーん。おねえさまー」

 もう一方の胸にも同じ快感が加えられてきた。ジュクっと、濡れてきたのがわかる。

「あらーん、ここはもうこんなになってるわよ。京子ちゃんたらエッチな子」

 そう言って俺の股間へと指をのばした。引き戻した指には透明な液が輝いていた。女同士っていいかもしれん・・・。

「お姉様のいじわる・・・」

 そういって顔を赤らめ、眼をふせる。おっぱい見えないじゃん。眼をあけろよー。くそ、疑似精神解除。俺は、眼をあけた。

「さあ、気持ちよくさせて。私もあなたをいかせてあげるから」

 そんな声が聞こえたが、目の前にはどこかで見た覚えがある物体が・・・。これってシックスナインじゃん!これは、なめろっていうことだよな。舐めますよ、舐めるに決まってる。そんな事を考えているうちに自分のマンコから柔らかい感触がしてくる。

 俺は、目の前の物を舐めた。うぷ、毛が邪魔だな・・・。く、けっこう難しいんじゃないかこれ。ちょっと疑似精神発動。

「そうよ、京子ちゃん。いっしょにいきましょう」

 オートの舌技はなんともすごい物だった。お姉様からあふれてくる液が俺へと降り掛かってきた。こうすればいいんだな・・・。なるほど・・・って、あぁ。

 お姉様ー

「お姉様ー」

 

 俺は、いったらしい。そしてお姉様もいったらしい。オートが自動解除されている。いったいどれくらい経ったのだろう。時計・・・あ、1時間ほど気を失ってたのか。昇天したってやつか。って、景子さんおもい・・・。
 俺が景子さんの体を動かそうともがいていると、景子も起きてきた。

「あん、京子ちゃん。おはよう」

 上気したその顔は明るく輝いていた。

「おはようございます、あはは」
「あなたのおかげよ。私は、女の子がだーいすき。自分を偽らずに生きていくわ。ありがとうね。本当に」

 ああ、よかったんだな。願いは叶ったらしい。決心をつける。そう、女の子を愛していくという決心の方になっちゃったみたいだが。

「それはそうと、まだ元気?」
「え、あの」

 それから朝まで俺たちの嬌声はラブホテルのフロア中に響いていた。

 

 ああ、舌技は覚えたさ。覚えた。でもね、未だに童貞ってなんなのさ。



あとがき
この作品は絵を元に作りました。とりあえず、女性化してびっくりしているという、そのびっくりのバラエティを考えているとこういうシチュエーションを思いつきました。ほとんど一発ネタです。でも、お気に入りです。


石山