今日は迷子
2007.03.10
作:石山
今日はクリスマス・・・といっても午前中は完全に眠っていた。昨日あれだけセックスをしたんだから仕方ないのかもしれない。俺の生涯初のキスとセックスの相手が友達の健司であったり、それも女としてのセックスだったりする。その後には、健司のネカマのせいでマッチョ3人とラブホテルで4Pなんてしてしまった。
あの後、さっさと逃げ出してきた俺は深夜のうちに家へともどってきていた。たく、タクシー代は健司に請求してやるか。
「親父もおふくろもいないのか、聞きたい事があったんだけどな・・・。
腹減ったな・・・」
そういえば、昨日の晩食ったのって・・・うえ、精液だけじゃん。何か食いに出かけるか。
俺の住んでいる所は、所謂ベッドタウンの一等地とはいかないが旧市街の中心部にある。そのため、食事をする場所には事欠かない。行きつけの牛丼屋で昼飯を食った俺は何をして暇をつぶすか考えた。
「健司に会って、タクシー代を請求してやるか」
そう思い健司の家へと向けて歩き出した。健司の家は、ここからならば歩いて20分ほどだ。俺は歩きながら、願いの叶う青い石のペンダントを太陽に透かしてみた。こいつの機能を整理してみるか・・・。
1,願いを叶える相手を思いながら、「そなたの願い叶えて信ぜよう」と唱える。
2,願いを叶えるための変身能力がある。変身には、その身体に応じた身体的特徴、性格,能力もコピーされる。
3,意識を失うとオートが発動される。
4,変身の解除は自由にできるがオートが発動している間は戻る事ができない。
5,相手の願いを叶えた時点でオートは解除される。
6,叶えた願いに応じ報酬として、俺自身の願いを叶えるためや、俺が危機に直面した時にランダムに能力が発動される。
とまあ、こんなところか。しかし、オートって自由に発動できるんだっけ・・・。親父に聞こうと思ってたのにな。どこにいってやがるんだ。
そうだな・・・、誰かのちっちゃな願いでも叶えて手っ取り早く解明してやるかな。誰か願いを抱えている奴いないかな。1時間くらいで終わるのがいいんだけど・・・。
「お・・・あの子」
抜け道にと通った公園は、一人だけ女の子が人形を抱えて寂しそうにブランコに座っている。小学生の3、4年生くらいかな。しかし、子供が他にいないな。これは、いいかもしれないな。ようし・・・決めた。
「そなたの願い叶えて信ぜよう」
ペンダントが淡い光を放つと俺の体が変化していった。視点は低くなり子供用のコートにシャツとスカートへと変わっていく。やっぱな、願いは遊び相手ってか。
「あのね、あたしきょーこ。一緒にあそばない?」
うつむいて人形をいじっていた女の子は見上げる。表情がぱーっと明るくなった。
「うん!わたしね、めぐみ。このこはめいちゃん」
嬉しそうにめぐみちゃんは、持っている人形を紹介してくれる。子供の嬉しそうな顔は何とも言えないな。これこそ些細な願いってなわけだ。
「ねえ、砂場で、おままごとしない?」
「うん、いいよー」
おままごとね。おままごと。やばいな何すりゃいいんだ。とりあえず砂場にいってみるか。砂場なんて何年ぶりだ?
「きょーこちゃん、あぶない」
と言われた時には、目の前が暗くなっていた。
これは、重心が違うせいで転んだのか。しかし、この感じは・・・。
えぐ、えぐ・・・、鼻がつーんとして、涙がぼろぼろとこぼれてくる。オートが泣いてるのか。
「えーん・・・痛い、痛いよー」
「きょーこちゃん泣かないで・・・ねー。いーこいーこだから」
涙で目の前がぼやけてるけど、めぐみちゃんが頭をなでてくれているのが分かる。
「グスグス・・・うん」
泣き止んでめぐみちゃんに微笑んだ。
「あー、汚れちゃったね。ちょっとまっててね。ハンカチ濡らしてくるからー」
そう言って、めぐみちゃんは公衆便所の方へと走っていった。
「うん。ありがとうめぐみちゃん」
これじゃあ、俺の方が世話見られてるよな・・・。しかし、おままごとを代わりにやってくれるんだからオートのままでもいいか。めぐみちゃんが便所の中へと入っていた。って、あれ。何かが俺の体を掴んできた。その瞬間に俺の体が宙に浮かぶ。
「きゃあ、んーんー」
大きな手が俺の口を塞いだ。
「静かにしなよ、お嬢ちゃん。へへ」
低い男の声がしたかと思うと、すごい速さで公園の外へと走り出した。足をばたばたとしているが何の効果もないようだ。俺はそのままスモークのはってある車へと連れ込まれた。昨日といい、今日といいってそんな状況じゃねぇな。これって誘拐か!?
車に連れ込まれた俺の口にはびちっとガムテームが貼付けられ、手も縛られてしまう。
「お嬢ちゃん、かわいいねー。へへへ」
中年っていうにはまだちょっと早い小太りの男が、にたにたと笑いながら俺の事を見下ろしている。ひー、これって、あれだ。変態っていう奴だ。俺ってこの若さで、あんな事やこんな事をされてしまうのかー。見たいシチュエーションではあるが、実際にされるのは嫌だーって、うう、また涙が出てきた・・・。
男は、町外れの廃工場に車を止めると、俺を事務所の跡へと連れ込んだ。
「さー、ここなら誰も来ないからね。痛かっただろーごめんねー。お嬢ちゃん。まあ、もっと痛くしちゃうけどね」
「ひぐ・・・」
口のガムテープがはがされたが、恐怖で何も言えないようだ。オートから恐怖が伝わってくる。
「お嬢ちゃん、お服を脱ぎましょうね。そうだ。お嬢ちゃんが自分で脱いでくれるのがいいなー。おら、脱げよ。俺は撮らなくっちゃ行けないからな」
男はビデオカメラを構えると俺を撮り始める。マジかよこいつ・・・。
「なにやってるんだ」
業を煮やした男が強引にコートを脱がせた後、俺の腕を掴んでパンツを脱がせた。怖い・・・これはやばいな。オートの反応はまったくの無垢な少女のそれだった。ちくしょー、オートじゃなきゃ、こんなやつのキンタマけりつぶしてやるものを。
「そら、裾をもつんだ。いいか、そのままだぞ」
俺はスカートの裾を掴むと羞恥心に顔を赤くした。顔を下に向けると膨らみかけた胸の上にちっちゃな乳首が見える。さらに下には、何も生えていない割れ目が空気にさらされているのが見える。
「おー、おー。きれいだね。お嬢ちゃん」
男はすごい鼻息をもらすと俺の股間を舐めるように撮影していった。そして、カメラをおろすと実際に舐めてきた。気持ち悪い・・・。オートからそんな感情が流れてくる。こりゃ、俺じゃなきゃトラウマものだろう。って、俺も相当トラウマになりそうな光景だな。おれの割れ目の中へとざらざらした舌が入り込んでくるのが分かった。手を固く握り、眼をつむる。ん・・・あ・・・、なんか切ない感じが・・・。
「お嬢ちゃん、気持ちいいだろ。きれいなお顔だね。悲しい顔がなんてかわいいんだ。よーし、ご褒美をあげるよ」
男はチャックをあけると中からチンポを取り出した。いや、いや・・・そんな・・・って、俺まで怖がってどうするんだ。
「いいねいいね、他の娘たちもそんな顔をしたよ」
そういうと男は俺の目の前でしごきだした。ふーふーと猫背になりながら、往復運動を始める。そして、耐えきれず男が出したそれは、俺の顔から胸へ掛けて降り掛かった。
だめ・・・。そんな。
「そう、その顔。ちゃんと撮ってあげるからね。
ん、糞!電池切れかよ。じっとしてろよ。逃げたら承知しないからな」
男はそう言うと未だ健在なチンポをなんとかズボンに押し込むと事務所から飛び出していった。
逃げ出すなら今だ・・・今だけど・・・。お、動いた。恐怖に震えていた俺の体が、ゆっくりとだが男が出て行った出口とは違う出口へと向かっていった。どうやら逃げようとしているらしい。そうだ、そう。がんばれ俺!
コートもないため寒い。さらにパンツもはいていないため、下半身に冷たい風が吹き込んでくる。でも、そんなこともおかまいなしに俺は必死に走って逃げている。
オートが逃げてくれなかったら俺どうなってるんだろ。最悪、殺されてたかも・・・。オートの恐怖が伝わってきたのか、俺自身も恐ろしくなってきた。そのうち、オートが立ち止まる。見知らぬ商店街へと出てきたためみたいだ。人通りもあるし、ひとまず安心だな・・・。
安心したせいか涙が出てきた。ぼたぼたと頬を伝わって地面へと落ちていく。
「パパ、ママ・・・」
いや、俺は親父とおふくろって呼んでるぞ。どうやらこれは・・・迷子の状態?
「あらあら、お嬢ちゃん大丈夫?どこからきたのー。そんな格好で寒いでしょう」
そう言って目の前に女の人がしゃがみこんで聞いてくる。やさしい言葉にさらに涙が込み上げてきた。
「ひっく、ひっく・・・わたしね・・・、あのね・・・」
そう言いながら優しく背中をさすってくれている女の人の顔を見た。
おふくろじゃん!その隣には、困り顔の親父がいるじゃん!俺だよ俺って・・・これじゃわからんか。
「ん・・・おい、この娘・・・きよひこじゃないか?」
なにー。親父ちょーすげー。なんで分かるんだ。
「やっぱりそうだ。ということは今はオートの状態か」
おふくろは、泣きじゃくる俺を抱きしめてこういった。
「きよちゃん、こんなにかわいくなってー。もう食べちゃいたいわ」
って、おいおい。
「しかし、なんでオートのままなんだ?あああー、そっか。お前にオートの切り方教えてなかったっけ」
がーん。なんだよそれ、オートって自力で解除できるのかよ。
「心の中でこう唱えろ。疑似精神を解除せよとな」
疑似精神を解除せよ?あ・・・動く。
「親父!こういうことは最初から言っておけよ!」
俺は涙の乾かぬ腫れぼったい顔のままおふくろに抱かれながら怒鳴った。
「怒った顔もかわいいな」
俺のすごみなんて親父に全く効きやしなかった。
「ちなみに疑似精神発動って心の中で唱えれば、自由にオートに移れるからな」
言われるままにやってみた。おふくろにしがみついて、またわんわん泣き出した。おふくろにこんな感じで抱きつくなんてめちゃ久しぶりだな。
帰りは家の車に乗せられて帰った。ちなみに変身は解除してある。
「今言った機能で全部だよな」
「そうだ。オートが途中で解除できなきゃ、変身も解除できんだろう。
しかし、さみしそうな女の子と遊んであげるために変身したところを誘拐されるとはなー。さすが我が娘」
がははと運転しながら笑い出す親父。
「誰が娘だ、ばか親父」
「ただ、その女の子の願いは叶えられてないから報酬はない。残念だったな。襲われ損というわけだ」
「・・・」
むくれる俺に今まで黙っていたおふくろが言い出した。
「お願い、私女の子がもう一人ほしかったの!」
こんなハチャメチャな家系でありながら、一家団らんが守られている理由は、この能天気さにあるみたいだ。
しかし、童貞なのにロリコン男の顔射を受けた俺って一体・・・。
あとがき
この作品は、冒頭の冗長な説明部分からも分かるように、設定確認用で作りました。
石山